鰤ら、釣られて喰われる

海釣り行ってきたぜ、イェイ。
オキアミ臭くなってきたぜ、イェイ。
鰤だぜ、イェイ。
ブリーチでもなければ、ブリジットでもないんだぜ。

ケータイででも写真とっとけばよかった。



捌いてみたら、そうとう酷かった。
刺身としての華燭部分の少ないこと。
そして骨についた身の多いこと。
んでハラワタのえげつないこと。



釣ったときはあまり思わなんだけど
捌くとき(とくに頭を落とすとき)はキツいね。
命だとかそんな大層なもんじゃなく、
ただ単に罪悪感の賜物なのだけど。

初めて捌いた俺から
これから初めて捌く人たちに送る言葉。

"ヤツの眼を見るな"

もうすでに逝っている者の眼だとしても
人はそこになにがしかの意味をとる。
怨恨、怒り、恐怖を植えつけようとする意志――

とはいえ、刺身にしてしまえばなんともない。
後は食してしまうだけ。
うまうま。