暗いヤツだ


へそくりではないけれど、ちょっとした貯金がある。同年代の人には笑われるかもしれないが、毎年お年玉をもらっている。そのお年玉を、貯金と称して置いている。
それを明日、使う。この金は、なるべく使わないように心がけてきたが、それも折れるときとなった。たとえば賽銭として5円を使うときは「ご縁」があるように、と願をかける。それと似たようにこのお年玉には、くれた人のなにかがこもっているような気がする。
と同時に、「金は使わなければなんの価値もない」という考えにも辿り着く。金は天下の回り物、というが、このときは「誰かが使わなければ、その分だけ流れは堰き止められる」というふうに感じられる。
なにはともあれ、その金を使う日が来たというのは、我ながら口惜しい。一人前に満たない者を半人前と揶揄するが、それにすら満たない四半人者とかいうヤツの最初になるかもしれないね。


やっぱり神様なんていなかったね
ふと、とある画像を見かけた。その画像()に書いてあった文字が「やっぱり神様なんていなかったね」だった。
実はこの画像、とあるエロゲのワンシーンである。真っ赤に燃える建物のなかで、少女がスケッチブックらしきものを持っている。少女の眼前にはガラスがあるらしく、おそらくそれを見ている主人公とは隔てられている。そしてそのガラスには少女が吐いたのだろうか、血が飛び散っている。そして「やっぱり神様なんていなかったね」。そんな画像。
昔、一度この画像を見たことがあった。そしてつい先日久しぶりに見た。そのときに、その画像の少女に見覚えがあることに気づいた。そしてググってはてなキーワードに辿り着き、合点した。そのエロゲ「いつか降る雪」は、今俺のPCのなかにインストールされてるやん、って。前回画像を見たときは持ってなかったからわからなかったけど、いくらかプレイした後の今はわかる。
でね、その画像を見て思ったのが、「あ、こんなゲームつくりてー」ってことだった。それはエロゲという意味ではなく、カタルシスの意味で。あんな悲劇的なストーリーを書いてみたい、と純粋に思った。
「いつか降る雪」は、医師である主人公が辺鄙な土地のサナトリウムに越してくるところから始まる。そこにいた少女たち(一部例外ふくむ)は、不治の病をかかえていた。彼女たちと接するうちに、主人公は彼女たちを助けようと思うようになる。そういったストーリーのゲーム。簡単に云うと、欝系。基本的に鬱々としていて、ときおり日常的な会話で明るくはなるものの、言動の端々から不治と死という暗さが纏わりついている。そこに、あの画像。たった一枚の画像を見るだけで、それも一瞬で、その悲劇性が計り知れる。こういったゲームをつくりたい、初心にかえったようにそう思った。そしてこの記事を書きながら、「中二病乙w」と笑いつつも、「暗い人間だな」と嘲るのであった。チャンチャン。


※この画像はグーグル画像検索ですぐ出てくるから、見たい方はググるとよろしよ。